Interview with Tokyo 2020 Organizing Committee President Seiko Hashimoto

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東京五輪開幕まで23日で1カ月。夏季・冬季五輪に計7度出場した〝五輪の申し子〟、橋本聖子・大会組織委員会会長がこのほど産経新聞のインタビューに応じ、新型コロナウイルス禍で開催される大会への思いを熱く語った。

 

-今の心境を

 

いよいよだという思いと同時に、今までやってきたことをきめ細かく再点検し、1カ月を走り切らなきゃいけないという心境だ。

 

-最重要はやはりコロナ対策か

 

安心・安全をどこまで(国民に)お伝えすることができるかにすべてをかけてきた。安全がはっきり伝わらない限り、安心には絶対ならない。『これなら安心だね』と言ってもらえることが重要なので、より完璧になるようにしていきたい。

 

-五輪の開催意義が改めて問われている

 

(今まで)当たり前に注目されていたので(意義を)説明する必要なく終わっていたことを反省している。私は平和の祭典という五輪の原点に返るときが来たと思っている。平和とは無縁の、程遠い生活をしている人たちに安らぎを与えることが、東京大会の責任でもある。

 

日常生活や経済を取り戻したいと思っているのは、みな同じ。世界が直面する大きな課題を、日本だから解決できると示すチャンスだ。コロナ対策を見える化させて大会をやり切れば、インバウンド(訪日外国人)も受け入れられると証明できる。1日も早く普通の生活ができるよう、五輪開催を通じて力を尽くしたい。

 

-コロナ禍で開かれる東京五輪の成功とは

 

ジェンダー平等、障害があってもなくても暮らしやすい社会、環境への配慮、テクノロジー…。今まで目を向けることができなかったことを、日本から発信できるのも東京大会の価値。『やってよかった』といかに多くの国民に思ってもらえるか。そして振り返ったとき、当たり前になったことも『東京大会が転換点だったね』と思ってもらえればいい。

 

-開会式はどのようなものになるか

 

担当者が決めることだが、今までの五輪のような華やかさはないと思う。大きな歓声にならなくても、みなさんが心の中に『未来』が見えてきたと感じ取ってもらえるようなものにしたい。

 

-東京へ集結する世界のアスリートへメッセージを

 

不安や苦しみ、悲しみもあったと思うが、選手たちはそれを乗り越えてきた。そうした思いが報われる舞台を作り上げているので、自信と誇りを持って日本に来てください。

 

聞き手:森本利優(産経新聞)

 

 

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